泌尿器科 治療方針

当科は泌尿器科疾患に幅広く対応できる体制になっていますが、その中でも泌尿・生殖器悪性腫瘍(腎臓がん、腎盂尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣がん、等)、副腎疾患、尿路結石(腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石)、急性・慢性腎機能障害(腎不全)、前立腺肥大症、尿失禁、などの治療を主として行っています。

 

当院は「悪性腫瘍の診断、治療および末期治療を一貫として行う」という理念で設立された病院です。泌尿器科でも悪性腫瘍の治療には特に力を入れており、質の高い第一線の診断・治療を行っています。

 

当科に入院される患者さんの大部分は手術を目的としています。

  • がんに対する根治性の高さ
  • 短い手術時間で少ない出血量

この二つを両立させる手術を目指しており、良好な成績を上げています。

 

例えば、膀胱がんに対する膀胱全摘除術は泌尿器科領域では大きな手術で一般的には手術時間が長く出血量も多いとされていますが、当科で考案した男性に対する新しい膀胱全摘除術の手術術式(2008.4月、日本泌尿器科学会総会で発表)を導入してから手術時間、出血量ともに著しい改善がみられ、現在では全国的にみても最も出血量の少ない施設の一つといえます。

 

また、前立腺がんに対する根治的前立腺全摘除術の施行においても平均出血量が少なく、自己血も含めて術中輸血を要した症例はありません。(当科では膀胱全摘除術、および根治的前立腺全摘除術に際して自己血貯血は必要ないと考えています)

 

最近は体に侵襲の少ない手術(minimally invasive surgery)が増えてきています。その代表的な手術は腹腔鏡手術で、当科では主に副腎腫瘍、腎がん、腎盂尿管がんに対して行っています。最新のハイビジョンカメラを用いて鮮明な視野のもとに手術操作を行っており、技術的に非常に安定しています。合併症と入院期間はより少なく、根治性は従来の開腹手術と同等という優れた成績を得ています。

 

また、当院では平成23年12月に手術用ロボット“ダヴィンチS”を導入しました。これは術者がロボットを遠隔操作して腹腔鏡手術を行うもので、極めて繊細で精密な手術が可能です。3ヶ月の準備期間を経て、平成24年3月末よりロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術を開始しています。

 


ダヴィンチ サージカル システム

恵佑会のがん医療について

 

最新の手術支援用ロボット「ダヴィンチXi」を導入しました[恵佑会だより 2015 vol.17]

 

 

また、当院では平成23年12月に手術用ロボット“ダヴィンチS”を導入しました。これは術者がロボットを遠隔操作して腹腔鏡手術を行うもので、極めて繊細で精密な手術が可能です。3ヶ月の準備期間を経て、平成24年3月末よりロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術を開始しています。

 

また、当院では平成23年12月に手術用ロボット“ダヴィンチS”を導入しました。これは術者がロボットを遠隔操作して腹腔鏡手術を行うもので、極めて繊細で精密な手術が可能です。3ヶ月の準備期間を経て、平成24年3月末よりロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術を開始しています。平成27年〇月〇日に300例を達成、全道では最速です。

 


前立腺がん

前立腺がんは欧米において罹患率と死亡率が非常に高い疾患ですが、日本においてもその著しい増加率が問題となっています。非常に優れた腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)とMRI(がんの局在の推定に有効)の普及により、根治可能ながんの発見が多くなっています。前立腺の組織検査は、腰椎麻酔で経会陰的穿刺(経直腸超音波ガイド)生検を1泊2日の入院で行っています。癌が発見された場合、転移が無ければ、手術・放射線照射・薬の3つから治療を選択します。若くて体力がある方には、手術が最良と考えています。

 

平成24年4月より、ダヴィンチSによるロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術が保険適用となりました。当科では4月以降は開腹手術等の既往のため腹腔鏡手術が不可能な症例以外には前立腺がんに対する開腹手術や通常の腹腔鏡手術は行っておらず、全例ダヴィンチSによるロボット手術を行っています。がんの根治性、術後の回復、合併症等、全てにおいてロボット手術は従来の手術(開腹手術、通常の腹腔鏡手術)よりも数段優れていると考えているためです。入院は10日程度です。


また前立腺がんの転移に対する緩和治療目的での放射線治療は以前より行ってきましたが、限局性前立腺がんに対する根治目的の放射線治療(強度変調放射線照射)も平成21年7月より開始しております。

 

膀胱がん

膀胱がんの多くの症例は内視鏡手術のみで病変のコントロールが可能ですが、再発しやすい病気です。局所進行がんで膀胱全摘除術が必要な患者さんで尿道が残せる場合には回腸代用膀胱造設術を行っています。膀胱全摘除術を行うと多くの場合、右下腹部にストーマを作成し、蓄尿用のバッグをつけなければならないため、生活の質(QOL)が著しく損なわれます。しかしこの方法では小腸を約50cm 一度切り開いた後球形に縫合することで十分な容量を持つ(300~400ml)低圧(尿失禁のない)の代用膀胱ができ、それを尿道に吻合することでそれまでと同じ自排尿が得られます。そのため患者さんにもより不快なく生活していただくことが可能です。

 

腎臓がん

腎臓の尿を作る部分から発生したがんです。多くの場合CT・超音波で偶然に発見されます。治療は手術で摘出すること。小さいがんは腎臓の部分切除を行い、その機能を温存します。腹腔鏡手術・開腹手術で腎臓全摘または部分切除を行います。転移がある場合でも腎がんの腎臓摘出を行い、分子標的薬剤やインターフェロンの治療を追加します。また、腎臓の部分切除はロボット手術を導入予定です。(平成27年5月)

 

腎盂尿管がん

腎臓で作られた尿が流れる部分に発生したがんです。血尿やCTなどで水腎症があり発見されます。治療は腎尿管全摘です。腹腔鏡または開腹手術を行います。転移がある場合は抗がん剤治療を先行させます。膀胱がんと同じ性質を有するがんです。

 

精巣がん

睾丸の硬結・腫大や腹部リンパ節の増大で発見されます。CT・血液検査・PETで病気の拡がりを判定します。病期にかかわらず、組織の確認のため精巣摘出を行います。その後、追加治療を決定します。経過観察・抗がん剤・腹部リンパ節郭清・放射線治療等を選択します。

 

腎尿管結石

腎臓の中で発生し、尿管に落下して尿路を閉塞すると激しい痛みや熱がでます。血尿がでることもあります。小さな結石は薬で排出を促進、大きなものは内視鏡的レーザー砕石術や体外衝撃波砕石術を行います。レントゲン・CTで部位と大きさを判定し、治療を決定します。カルシウムや尿酸を成分とするものが多いです。体質も関係しますが 食生活や内服薬・長期臥床・糖尿病も原因となることがあります。

 

前立腺肥大症

尿が出ずらい・尿がちかいなどの症状があります。良い薬もありますが 効果が乏しい場合は、経尿道的内視鏡治療を行います。従来の電気メスによる切除に加え、レーザーを使用した手術も行っています。

 

過活動膀胱

「尿意切迫感を有し、通常は頻尿および夜間頻尿を伴い、切迫性尿失禁を伴うこともあれば伴わないこともある状態」

下記の症状が一つ以上ある場合、過活動膀胱の可能性があります。

 

  • 尿をする回数が多い(通常8回以上)。
  • 急に尿がしたくなって、我慢が難しいことがある。
  • 我慢できず尿を漏らすことがあります。

 

  • 膀胱がん・膀胱炎・膀胱結石・前立腺がんなどの除外が必要。多くは薬の治療です。

泌尿器科疾患を疑う症状

以下の症状がある場合は、泌尿器科の受診をお勧め致します。

 

  • 排尿痛(尿をするときに痛みがある)
  • 残尿感(排尿後、残っている感じがある)
  • 排尿困難(尿が出ずらい)
  • 背部痛(背中が痛い)
  • 側腹部痛(横っ腹が痛い)
  • 下腹部痛(下っ腹が痛い)
  • 頻尿(おしっこが頻回) 
    →排尿時刻・排尿量を3日間記録し来院されると良いです。(記録表 PDF file ?)
  • 血尿(尿に血が混じる)
  • 陰茎・陰嚢が腫れる
  • 陰嚢が痛い
  • 尿がもれる(咳してもれる・間に合わなくてもれる)
  • 尿が汚い・膿がでる。

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