消化器内科 大腸内視鏡検査

大腸ポリープは大腸がんと密接な関係があり、大腸ポリープを10年間放置すれば約10%ががんになると考えられています。


日本では大腸がんで年間、人口10万人当り約20人が死亡しています。日本人に最も多い胃がんの死亡率の約半分ですが、胃がんが減少傾向にあるのに対して、大腸がん、中でも結腸がんは増加傾向にあります。もっとも、大腸がんはがんの中では比較的治りやすいとされ、半分以上が治ることから腸がんの発生率は人口10万人当り50人程度と考えられます。


大腸内視鏡検査に使用する当院のスコープは直径1.3cm、長さ130cmです。肛門からスコープを挿入しほぼ身長と同じ長さの腸管を折り畳みながら奥へ進めるので、実際は約80cmしか身体の中に入りません。検査時間は10~20分間前後ですが、ポリープ切除術の場合、数が多いと1時間かかることもあります。


以前は、大腸内視鏡検査は患者さんにとって非常に痛くて辛い検査でしたが、現在では熟練した専門医が行なえば全く痛みはありません。但し、10人に1人位の割合で癒着がある場合その部分を通過するときに一時的に痛みを感じることがあります。

 

  • 前処理

大腸には便が貯っているので全部排泄しないと検査ができません。見逃しをなくすためにも又検査を楽に短時間で終了させるためにも、腸管の洗浄は最も大切です。

 

通常の人

(1)食事
前日は当院の売店で販売している検査食(1日分1575円【税込】)のみを食べていただきます。検査当日は検査が終わるまで飲食は厳禁です。口渇や空腹が強いときは、水コップ1杯、あめをなめる程度なら構いません。タバコは禁止です。

 

(2)腸管洗浄液(ニフレックなど)の服用腸管洗浄液(ニフレックなど)の服用
腸管洗浄液を調合して1,800~2,000ccを約2時間かけて飲みます。開始時間は午前の検査の人は当日の5:00amから、午後の検査の人は当日の7:00amから飲み始めます。飲み方は10分毎にコップ1杯200ccをなるべく一気に飲みます。途中で飲めなくなった人は、無理をすると吐いてしまうので後半はゆっくり時間をかけても結構です。但し、できるだけ早く飲んだ方が効果は上がります。

 

(3)排便
腸管洗浄液は全く吸収されないので飲んだ分がそのまま排泄されます。通常飲み始めて1~2時間でトイレに行きたくなり5~6回排便がありますが、人によっては 10回以上排便する人もいます。下剤と違って腸に対する刺激が無いので腹痛やトイレに駆け込む等の心配はありません。 注意:腸管洗浄液は、冷えた方が飲みやすいですが、冷たいものを大量に飲むので体温が冷えます。充分温かい部屋で厚着をして飲んでください。

 

便秘がちの方(胃、腸の手術をしている人も含まれます)

検査前日の食事は検査食になります。就寝前に下剤を飲みます。当日は通常の人と同じく腸管洗浄液を1,800~2,000cc飲みます。

 

  •  
  • 排便の確認

腸管洗浄が理想的に行なわれると5~6回の排便で、便が水のようになり黄色~無色透明となります。もしまだ固形物が混ったり、濁りがあれば看護婦に報告して下さい。浣腸を2~3回追加することがあります。また、腸管洗浄液を飲み終えても排便の無いときは病院に電話をして指示に従って下さい。

 

  •  
  •  
  • 当日:検査の流れ
  • 順番になったら、内視鏡室の更衣室で検査衣に着替えます。下半身の下着は全部脱いでいただきます。検査衣は肛門に当たる部分に径5cmの穴のあいたズボンと腰が隠れる長さの上着からなっています。次いで検査室に行きベッドに横になって注射を1回で3種類します。1種類目は腸管の運動を止めるための薬、2種類目は精神安定剤、3種類目は鎮痛剤です。

  • いよいよ検査が始まります。左を下にして横になり医者が肛門にゼリーを充分ぬりスコープを挿入します。意識はありますが注射のせいで頭がぼーっとした状態になります。個人差はありますが、検査終了後30分から1時間で元に戻ります。検査終了後しばらく回復室で休んでいただきます。

  • 検査が終わって気分が落ちついたら食事が出来ますが、ポリープを切除した場合は絶食と点滴をすることがあります。医者の指示に従って下さい。大きなポリープを切除した方は通常4~5日間位の入院が必要となります。

 

ご注意ください

検査後ベッドで安静にする時間が短すぎると体質によってはまれに吐き気が出現します。
検査後、当日は車の運転は禁止です。

 

  •  
  •  
  •  
  • 組織学的検査

ポリープを切除した場合、その組織を検査します。顕微鏡で細胞をみて良性か悪性かを診断します。

 

  •  
  •  
  •  
  •  
  • 経過観察

ポリープを切除した場合は6カ月以内に再度大腸内視鏡検査をします。大腸ポリープは大腸の構造上,一回だけの検査では見逃しや再発の可能性があるためです。その後も定期的に年一回内視鏡検査をする必要があります。検便だけでは不十分です。

 

  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  • 大腸内視鏡検査による合併

ポリープを切除した場合は6カ月以内に再度大腸内視鏡検査をします。大腸ポリープは大腸の構造上、一回だけの検査では見逃しや再発の可能性があるためです。その後も定期的に年一回内視鏡検査をする必要があります。検便だけでは不十分です。

(1)スコープの挿入により、ごく稀に腸に穴があくことがあります。その場合手術になることがあります。
(2)極めて稀なケースですが、ポリープ切除の場合は、出血及び穿孔(腸に穴があく)の危険があります。出血は殆ど内視鏡で止めることができますが、穿孔は手術になることがあります。
(3)当院では合併症により死亡した例はありません。全国的にも死亡事例は多くありません。

 

トップ