vol.17 最新の手術支援用ロボット「ダヴィンチXi」を導入しました

恵佑会札幌病院は今年6月に最新の手術支援ロボット「ダヴィンチXi」を導入し7月に日本で初めてこのロボットを使った手術を行いました。


最先端の高度医療を整備することによって患者さんの体により負担がかからないような精度の高いがん手術を提供していきます。

 

新機種を導入して「ダヴィンチ」が2台体制に



 

7月3日、恵佑会札幌病院で行った「ダヴィンチXi」を使用した前立腺がんの手術。この最新の手術支援ロボットを用いた手術は、全国の医療機関に先駆けて当院で実施されました。操作台に座って、遠隔操作でロボットアームをコントロールしているのは、平川和志札幌病院院長。

 

恵佑会札幌病院では2012年3月から手術支援ロボット「ダヴィンチS」を導入し、前立腺がんに対する治療として、ロボットを使用した腹腔鏡による前立腺の全摘手術(ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術)を開始しました。今年の6月までに357例の手術を行い、良好な成績をあげてきています。


こうした経緯から当院では、開腹手術よりも体に負担が少ないロボット支援の腹腔鏡手術の将来性を高く評価していたところ、新機種となる「ダヴィンチXi」(Intuitive Surgical社)が開発されました。当院では「ダヴィンチXi」を発売後間もない6月末に北海道で初めて導入。7月3日にはこの最新のロボットを使用した手術を日本で初めて行いました。最新機種での初回手術でしたが、これまで培ってきたロボット支援手術の経験を生かし、無事に手術を終えることができました。今後も積極的に活用していく予定です。


当院では従来の機種と併せてダヴィンチが2台設置されたことによって、ロボット支援手術を希望される患者さんはほとんど待機していただかなくても手術を受けられる体制を整えることができました。



従来よりも進化した機能で手術の操作性も向上

ダヴィンチXi

Intuitive Surgical社は2000年に「ダヴィンチ」をアメリカで発売開始しましたが、最新の「ダヴィンチXi」についてはフルモデルチェンジといってよいほどの改良がなされています。


手術の部位を映し出す画像がより鮮明になるとともに、医師の手に成り代わって手術を行うロボットアームの構造が改良・スリム化されたことによって、手術の操作性が飛躍的に高まりました。


また、機能の進化により、手術の対象がこれまで前立腺や腎臓、膀胱などの泌尿器に限られていましたが、胃や大腸などの消化器へ広がったことも従来の機種と大きく変わった点です。

 

将来的には泌尿器にとどまらず胃がんや大腸がんの手術にも

当院の泌尿器科では、今はまだ保険適用外ですが、5月から腎臓がんに対してロボットを使った腹腔鏡による腎臓の部分切除術(ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術)を開始しました。今後は「ダヴィンチS」は主として前立腺全摘除術に、「ダヴィンチXi」は前立腺全摘除術のほか、腎部分切除術および近い将来に開始予定である膀胱全摘除術、さらに泌尿器科の範囲にとどまらず、胃がんや大腸がん(S状結腸がん、直腸がん)の根治手術に使用する予定です。


恵佑会札幌病院は、がんの専門病院として、患者さんの体に少しでも負担がかからないような手術を行い、この分野における牽引的な役割を果たしながら、患者さん、社会に貢献することを目指しています。

ダヴィンチXi

コンピュータ・システム

「ダヴィンチXi」の心臓部となるコンピュータ・システム。手術部位の3D画像を作り出し、ロボットアームの遠隔操作もこのコンピュータを通して行われます。

 

ロボットアーム

従来より、ロボットアームが細く、動きも繊細かつ複雑になって、精度の高い手術が可能になりました。アームの先端に取り付けた鉗子には関節機能があり、人間の手の可動範囲を越えて曲げたり、回転させることも可能です。また、これまでは内視鏡カメラは4本のアームのうち、1本にしか取り付けできませんでしたが、4本すべてのアームに可能になり、視野が広がりました。


操作台

操作台は長時間の手術を医師が快適で自然に行えるように、人間工学に基づいた調節機能もついています。手術の部位の3D画像もより鮮明になり、実際に患者さんの体内を覗き込んでいるような立体的な視野が確保できます。