vol.22 恵佑会札幌病院 訪問看護ステーション恵佑会所長 山崎美惠

患者さんの生き方を尊重しながら医療的サポートと生活支援を

 

山崎美惠 訪問看護ステーション恵佑会所長 緩和ケア認定看護師


山崎美惠 やまざき よしえ 滝川市出身。弘前大学医療技術短期大学部看護学科卒業。道内の総合病院、訪問看護ステーションなどを経て、2013年に訪問看護ステーション恵佑会入職。08年、緩和ケア認定看護師資格取得。

山崎美惠 やまざき よしえ

滝川市出身。弘前大学医療技術短期大学部看護学科卒業。道内の総合病院、訪問看護ステーションなどを経て、2013年に訪問看護ステーション恵佑会入職。08年、緩和ケア認定看護師資格取得。

高齢化率の上昇に伴い訪問看護に求められるケアも多様化しています。
患者さんがご自宅で医療を受けながら安心して地域で暮らせるようご家族も含めてサポートに努めています。

看護師を志したきっかけは?

山崎 私が高校生の時に母が病を患い入院しました。病気は本人だけでなく家族にも苦痛を与えると実感しました。母の担当だった看護師さんが私たち家族の心のケアまでしてくださって、貴重な仕事だなと思ったのがきっかけです。高校卒業後は迷わず医療系の大学へ進学しました。

 

仕事の内容を教えてください。

山崎 患者さんのご自宅へうかがい、医療的サポートと生活支援を行っています。その人らしい生活が送れるよう、ご家族も含めて支援します。訪問看護を希望される患者さんは、がんの終末期を迎えても最後まで住み慣れた家で過ごしたいという方が多いです。患者さんの身体的・社会的・精神的・スピリチュアルな苦痛を可能な限り軽減できるよう心を砕きながら、年間十数人の方をご自宅で看取っています。また患者さんが亡くなられたあとは、ご家族のグリーフケア(悲嘆する人への支援)にもあたっています。

 

仕事で心がけていることは?

山崎 ユーモアです。患者さんの生き方を尊重し、心が軽くなるような楽しい会話を心がけ、意思決定できるよう支援しています。管理職として大切にしているのは平常心。訪問先では院内看護師と違い、一人で対応することが多いので、経験が浅いと不安やストレスも多くなります。でもそれを乗り越えると、自信や喜びにつながることをスタッフに説くために、私がいつも平常心でいるように心がけています。

 

印象深いエピソードはありますか。

山崎 がんの終末期にある同年代の女性を看護した時のことです。高校生と小学生のお子さんをもつシングルマザーで、自分の病状を伝えられず悩んでいました。「このままでは、お子さんたちの人生に大きな影響を与えてしまうのでは?お子さんと自分の力を信じてください」とお話ししました。その後、場を設けてお子さんに話されました。後にお母さんは亡くなりましたが、お子さんたちは前向きに成長していると聞き、この仕事をしてよかったと強く思いました。

 

趣味やリラックス方法は?

非日常の世界、特に自然の中に身を置くことです。妹がスローライフを営んでいる美瑛町へ行っては癒されています。

山崎 非日常の世界、特に自然の中に身を置くことです。妹がスローライフを営んでいる美瑛町へ行っては癒されています。

 

今後、取り組んでいきたいことは?

山崎 一つは子どもたちに「死」の意味を伝える活動。人には亡くなる過程でも何かを伝える力がある、「死」は怖いだけではなく自然なもの、と教えたいです。もう一つは、がんの患者さんや家族が気軽に訪れて不安や悲しみを話し合うことで力を取り戻せる、イギリス発祥の施設マギーズセンターを北海道に作ること。まだ夢の段階です。