vol.23 緩和ケアの「いままで」と「これから」

~緩和ケアとはどんなもの?~

 

緩和ケアとは何ですか?

がんなどの重い病を抱えている患者さんやそのご家族の身体や気持ちのつらさをやわらげ、より豊かなその人らしい人生を送れるように支えていくための治療・ケアです。

がんなどの重い病を抱えている患者さんやそのご家族の身体や気持ちのつらさをやわらげ、より豊かなその人らしい人生を送れるように支えていくための治療・ケアです。
がんになると、痛みやだるさなどの「身体的なつらさ」や、不安や気持ちの落ち込みなどの「精神的なつらさ」、仕事や経済的な問題などの「社会的なつらさ」といった様々な苦痛を経験すると言われています。
緩和ケアは、このような何らかのつらさや悩みが生じた時から受けることができ、緩和ケア病棟だけでなく、外来や一般病棟、自宅でも受けることが可能です。


例)

①あなたが病気を理解できるようにサポートします。
②治療方法を自分で選べるように支援します。
③身体や気持ちのつらさをやわらげます。
④これまでの日常生活に少しでも近づけるようなケアを行います。
⑤ご家族へのケアを行います。

 

緩和ケアチームとは?

緩和ケアを専門に提供している医師、看護師、薬剤師、MSWなどで構成されているチームで、外来や一般病棟で緩和ケアを必要としている患者さんやご家族へのケア、医療従事者への支援を行っています。

具体的な活動としては、主治医から介入の依頼を受け、入院中の患者さんの場合は病室へ診察に伺い、外来通院中の患者さんの場合は主治医の時間帯に合わせて「緩和ケア内科」も受診してもらい診察を行います。


モルヒネは最期に使う、こわい薬なの?

自分らしい生活を過ごすためには、痛みなどの苦痛をコントロールすることが必要です。がんと診断された初期からモルヒネなどの医療用麻薬を使用し痛みをコントロールすることで、延命につながるというデータもあります。医療用麻薬は痛みの治療に適切に用いる場合は、精神的・身体的依存を生じないことが明らかになっています。また、痛みを抑えるための使用量では、幻覚などが生じることはほとんどないので、安心して使用できます。痛みをコントロールできることにより、睡眠の質が良くなったり、食欲が出たりするため、症状の緩和につながります。けっして、寿命を縮めたり、最期に使う薬ではありません。

 

緩和ケアを受ける時期は?

緩和ケアは、がんが進行した患者さんに対するケアであると誤解をされていました。そのため「まだ緩和ケアを受ける時期ではない」と思い込んでしまう患者さんやご家族が少なくありません。


しかし、現在では緩和ケアは、がんと診断された時から行う、痛みや身体的・精神的な苦痛をやわらげるためのケアであると考えられ、がんの治療前や治療中でも受けることが可能です。


どの時点で緩和ケアを受け始めるかは、患者さんごとに異なります。適切な時期に緩和ケアを開始し、患者さんとご家族の生活の質をよりよいものにしていき、自分らしさを大切にした生活を行えるように支えていくケアが緩和ケアです。

 



上田 敬子 (うえだ けいこ)

恵佑会札幌病院緩和ケア内科医師。2004年、北海道大学卒業。日本麻酔科学会麻酔科認定医。日本緩和医療学会。疼痛ガイドライン作成委員。北海道ペインクリニック学会会員。緩和ケア研修会修了。



北出 弘美 (きたで ひろみ)

恵佑会札幌病院緩和ケア認定看護師。


中山 ひとみ (なかやま ひとみ)

恵佑会札幌病院緩和ケア病棟師長。