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vol.29 恵佑会札幌病院医学物理士 小林勇太

※このページの内容は、恵佑会だより発行時点のものです。

知識や技術を得る機会を増やし臨床現場にフィードバックしたい


小林勇太 恵佑会札幌病院 医学物理士


小林勇太 こばやし ゆうた

2012年3月、北海道大学大学院 保健科学研究院 医用生体理工学分野 博士前期課程卒業、4月恵佑会札幌病院入職。15年4月、医学物理士資格認定、恵佑会札幌病院医学物理士就任。

がんに対する放射線治療計画を作成し装置の品質管理を行う医学物理士。
新しい情報や知識・技術を駆使してがん治療に貢献しています。

医学物理士を志したきっかけは?

小林 大学院で画像診断装置のMRIに関する研究をしていましたが、当時から放射線治療にも興味をもっていました。修士2年生の時にメーカー就職、大学教員を目指した進学など、人生の選択に悩んでいる中、恵佑会から放射線治療科の求人が出たため、就職しました。

最初から医学物理士になろうと決めていたわけではなく、上司の明神美弥子先生に勧めていただいた医学物理士試験に合格したこと、前任の医学物理士が大学に移られたことなどが重なり、この職種を選択しました。
現在も医学物理士の仕事がとても充実しており、当時の選択が正解だったと実感しています。

仕事の内容を教えてください。

小林 がんに対する放射線治療にはいろいろな種類がありますが、主に私が携わっているのは IMRT(強度変調放射線治療)という先端的な治療方法の計画業務です。計画は専用のコンピュータを使って作成します。がんというターゲットにいかにたくさんの放射線を照射し、その周囲の正常な組織に照射しないか、この目標を達成するためには個々の患者さんに合わせたプランが必要になります。IMRT計画は数学的なパラメータを駆使する必要があること、 計画に時間がかかるなどの理由から当院では医学物理士が担当しています。

また、放射線治療装置の品質保証・管理(QA/QC)も重要な業務です。
QA/QCは照射事故防止の観点から必要不可欠な業務であり、IMRTも含めて治療装置から正確な放射線量が出力されているかなどを日々管理しています。放射線治療の中でもIMRTは特に複雑な動きをするので、誤差が生じないように患者さんごとに測定および検証解析を行っています。

仕事で心がけていることは?

小林 従来の方法や考え方にとらわれず、業務内容を改善していくことです。医学物理分野は新しい知識・技術などのアップデートがとても早いので、研究活動、英語論文、ガイドラインなどを通じて知識や技術を得る機会を増やし、臨床現場にフィードバックしています。
医学物理士は患者さんと接する機会が少ないので、新しい情報や知識の面で貢献できればと思っています。

印象深い出来事はありますか?

小林 全国学会の研究課題グループが昨年からIMRT計画のコンテストを開催しています。
1人の患者さんを対象に参加者がプランを提出し、評価を受けます。
3度連続で上位に入賞(計画装置別1位)することができました。
入賞により学会のシンポジウムや講演会に呼んでいただく機会も増え、全国の優秀な方々から得た知識・技術を臨床に活かしながら仕事ができています。

今後取り組んでいきたいことは?

小林 臨床の仕事や研究・講演活動を通じてさらに幅広い知識や技術を身につけていきたいです。
自分の能力を向上させることが、最終的に患者さんに還元できると考えています。