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vol.28 恵佑会札幌病院医療ソーシャルワーカー主任 有森雅子

※このページの内容は、恵佑会だより発行時点のものです。

患者さんの背景にある思いを受け止めて、解決策を探っていきたい


有森雅子 恵佑会札幌病院 医療ソーシャルワーカー主任


有森雅子 ありもり まさこ

岡山県倉敷市出身。立命館大学産業社会学部卒業。札幌市内の医療機関を経て、2011年、恵佑会札幌病院に入職。社会福祉士、精神保健福祉土。

医療ソーシャルワーカー(MSW)は患者さんの退院後の療養生活をはじめ医療費や病気による仕事への不安など患者さんからのさまざまな相談に対応し問題解決に向けてサポートを行います。

医療ソーシャルワーカーを志したきっかけは?

有森 大学で社会福祉を専攻したのですが、卒業後は一般企業へ就職しました。でも、人とかかわる仕事に就きたいという気持ちが湧いてきて、社会福祉士として札幌の病院に務めました。

仕事の内容を教えてください。

有森 社会福祉士の仕事は、病気や障害、高齢などが原因で、社会の中で生きづらさを抱えている方に対する相談、援助を目的としています。私は相談支援センターに所属しており、医療ソーシャルワーカー(MSW)として患者さんから、退院後の療養生活の不安をはじめ、病気に伴う仕事や家族、経済的な心配事などをうかがって、社会制度をご
紹介したり、一緒に問題を整理し解決していくお手伝いをしています。

患者さんのお話を聞くことを「面接」といいますが、面接を通して患者さんが抱えている不安、望んでいること、必要なことを一緒に整理することが私たちの仕事だと思います。

仕事で心がけていることは?

有森 丁寧な面接です。患者さんの言葉の背景にある思いを言葉や表情はもちろん、全身からの情報を受け止めて、一緒に解決策を探していくことを心がけています。また、当たり前のことかもしれませんが、自分ができるだけ健康であること、気持ちが安定していることが大切です。そうでなければ、人への興味が薄れてしまうと思うからです。

この仕事のやりがいは?

有森 患者さんからの相談には一つとして同じものがありません。一人ひとりの背景が違い、対応の仕方も異なるため、この仕事には正解もなく、終わりもないと思います。常によい面接を心がけ、自分の技術を向上させていかなければなりませんので、それがやりがいと言えます。

印象に残っているエピソードは?

有森 MSWとしての経験がまだ浅い頃、精神的な病気を抱えた患者さんに、その方の自己決定権にまで踏み込んで、私がよかれと思う選択をさせたことがありました。ただのおせっかいなのですが、この苦い経験が仕事への向き合い方を教えてくれたのだと思います。自分の立ち位置は患者さんの前ではなく、斜め後ろだと。

今後、取り組んでいきたいことは?

有森 もし自分が病気でつらい時に、初対面の人に相談できるかというと、意を決しないと難しいのではないでしょうか。ただ窓口で待っているのではなく、こちらから病室を訪問するなど、患者さんと話す機会を増やしたいです。

MSWは社会的にまだ広く認知されていない面もありますので若い人にこの仕事の大切さ、おもしろさを伝えたいです。ソーシャルワークの価値や技術をベースにしながらも、患者さんとのかかわりにおいては、自分が工夫した分だけ、返ってくるものがあることを知ってほしいと思います。