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泌尿器科 治療方針

前立腺がん

前立腺がん

2015年以降、前立腺がんは我が国における男性罹患率第1位のがんになりました。中高年男性にとっては一般的な疾患となった前立腺がんですが、当院では前立腺がん腫瘍マーカーのPSA測定による検査の他、最新のMRIによる前立腺がん局在診断を行っております。


前立腺生検は全国的にも経直腸的に行われることが一般的です。この方法ですと直腸粘膜を損傷し、持続する出血で輸血が必要になることがあります。また、大腸菌がひしめく直腸を経由して針が前立腺に到達するので、急性前立腺炎が約10%の確率で起こり、これまで他施設では敗血症による死亡例も報告されております。そのため当院では安全で前述のMRI画像所見も反映できるよう経会陰的に施行しております。これまで1000件以上の経会陰的前立腺生検で急性前立腺炎は1例のみ(0.1%以下)で非常に安全です。また、麻酔下に1泊2日で行っておりますので、安全性と快適性を備えていると言えます。


前立腺癌の治療方針決定

前立腺癌の治療方針決定

NCCN(米国癌センターネットワーク)が発行しているガイドライン(診療指針)に則って治療方針を決定しております。前立腺癌のリスク分類が非常に重要です。グレードグループが1-5まであり、それによって下記のように治療方針を決定します。 


当院ではリスク評価をして、超低リスク〜良好中リスクまでの方には積極的監視療法を行なっています。これは、腫瘍マーカーを定期的に確認し、生検を12年に1回行なってがんの状態に変化がないかを“積極的に”“監視する”方法です。5年以内に手術や放射線の治療が必要になる方が2人に1人おりますが、副作用が基本的にゼロなので治療による副作用を避けたい患者さんにはメリットがあると言えます。


20年前は局所前立腺癌にも男性ホルモンの遮断療法(注射か除睾術)が行われていました。しかし、男性ホルモンは高齢男性にとっても重要なホルモンであることがわかり、NCCNのガイドラインではもうこれを行わないようになってきています。男性ホルモン遮断の副作用は①筋力低下、②脂質異常症による心血管病変、③骨粗鬆症、④認知症があります。糖尿病がある方は血糖コントロールも難しくなるので注意が必要になります。


上記の理由から当院では超高リスクの前立腺癌患者さんにもロボットを用いた前立腺摘除を進めています。開腹手術では根治が難しかった高リスクの患者さんもロボットを用いて拡大リンパ節郭清を組み合わせることで根治を目指しています。(拡大リンパ節郭清は限局郭清よりも再発リスクが減少することが2025年に報告されました。(Touijer et al, Eur Urol 2025)


蛍光造影カメラを使用したリンパ節郭清

蛍光造影カメラを使用したリンパ節郭清

当院ではICG(インドシアニングリーン)と蛍光造影カメラ(da Vinci Xi搭載機能)を使用して効果的なリンパ節郭清を行なっています。郭清範囲を最小限にすることによって手術時間の短縮、合併症の減少とリンパ節転移の診断効率向上の両方を目指します。

骨転移の全身検索に

骨転移の全身検索に

当院ではDWIBS法という全身MRIによる評価を行なっています。保険適応があり、従来行われてきた骨シンチのように放射線被爆の危険性もありません。


腎がん(腎細胞がん)

腎がん(腎細胞がん)

腎細胞がん(腎がん)の治療は腫瘍のサイズによって異なります。7cm以下のT1a-T1bの小径腎細胞がんに対しては、ロボット支援腎部分切除術を行なっております。平均手術時間は1-1.5時間です。腎部分切除術の際にはジアグノグリーンを投与し特殊なカメラ装置で観察することで動脈を明らかにし損傷を抑え、腫瘍に切り込むことなく確実な切除を可能にします。


ICG(インドシアニングリーン)による腎動脈同定

ICG(インドシアニングリーン)による腎動脈同定

ICGにより腎動脈を同定するのが容易となります。ダビンチXiでは3DCT画像と比較しながら手術を進めることが可能です。


腫瘍切除中のFirefly(蛍光造影カメラ)

腫瘍切除中のFirefly(蛍光造影カメラ)

黄緑色に発光しているのが腎臓の正常実質で白く発光していない部分が腫瘍です。

蛍光造影カメラで確認しながら腫瘍が露出しないように腎実質を切開していきます。

腫瘍が露出した場合には、もう一度さらに外側から切開し、腫瘍を取り残さないように留意します。


部分切除が難しい場合はロボット支援根治的腎摘除術(全摘)を施行します。

こちらも平均手術時間は1-1.5時間です。

膀胱がん、腎盂尿管がん(尿路上皮がん)

膀胱がん、腎盂尿管がん(尿路上皮がん)

膀胱がんに対しては経尿道的膀胱腫瘍切除術を施行し、診断確定後、NCCNガイドラインに基づいた治療(再度の切除術、BCG膀胱内注入、抗がん剤注入、ロボット支援根治的膀胱摘除術)をお勧めしております。ロボット支援根治的膀胱摘除術後の尿路変更としても回腸利用新膀胱、回腸導管造設術など生活の質の向上を目指してがん治療認定医が治療を進めていきます。

尿路結石症

尿路結石症

尿路結石の治療に対する治療において当院では体外衝撃波結石破砕装置 (STORZ MEDICALL MODULITH SLX)による日帰り手術が可能です。また、体外衝撃波では砕石困難な症例においても経尿道的尿管結石破砕をレーザー砕石装置と尿管鏡を用いて施行し、短期入院での治療(4-5)が可能となっております。

前立腺肥大症

前立腺肥大症

前立腺肥大症によって高度の下部尿路閉塞がある方にはLEONARDO®180を用いたレーザー焼灼術が可能です。

抗血小板薬(血液サラサラのお薬)を内服されている方でも出血することなく、安全に手術を受けていただくことができます。入院期間は4-5日です。

男性更年期障害

男性更年期障害

加齢や様々な環境変化で起こる男性ホルモン低下に伴った男性更年期障害について診療を行なっております。

都内大学病院、都内のメンズヘルスクリニックなど日本のメンズヘルス外来を牽引してきた経験豊富な専門医が常勤で診察にあたっております。疲れやすい、やる気が出ない、性欲がないなどの症状がある方はご相談ください。Long COVIDと呼ばれるコロナ感染後の後遺症も男性更年期障害の可能性があります。悩まずにご相談ください。

男性性機能障害

男性性機能障害

勃起障害、射精障害など男性性機能の問題について日本性機能学会の専門医が常勤で診療を行っております。

ペロニー病など男性器の各種手術も保険で行なっておりますので、いつでもご相談ください。

また、根治的前立腺摘除術後の患者の勃起障害の研究の専門家が陰茎リハビリテーションなども積極的に行っております。他院で手術された方もお気軽にご相談ください。

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